バイオマトリックス研究所では、商品開発だけでなく基礎的なコラーゲンの研究にも力を入れております。
特にコラーゲンの翻訳後修飾は重要なテーマです。タンパク質は遺伝情報に基づいて、20種類のアミノ酸を組み合わせて合成(翻訳)されますが、それだけではなく、アミノ酸を改変(修飾)することで新たな機能が生まれたり、逆に機能が低下したりすることもあります。コラーゲンは、このような修飾が非常に多いタンパク質です。当社では水酸化や
糖鎖付加、架橋や糖化反応などについて、いくつかの研究発表をしています。アミノ酸の修飾に関する研究では
コラーゲン丸ごとだけでなく、ある程度分解してから分析することが多く、その際に決まった法則でコラーゲンを
分解する酵素“プロテアーゼ”が重要なツールとなります。バイオマトリックス研究所ではコラーゲンに作用する
プロテアーゼの研究、調査をする中で2つの“プロテアーゼ”に注目しました。1つは歯周病菌が産生するコラゲナーゼ
である「ジンジパイン」で、これは歯茎のコラーゲンを分解する悪者です。もう1つが、生姜に含まれるコラゲナーゼ
である「ジンジベイン」で、生姜に含まれる主要なタンパク質です。この2つはコラーゲンを分解するという点で
共通していますが、その性質や由来は全く異なるものです。この2つの酵素をコラーゲンに作用させた時に生成する
分解物(ペプチド)の構造や性質を調べていくうちに、生姜由来の「ジンジベイン」が従来には無い特長のあるペプチドを生成することを見出し、これを食品へ応用するという開発を新たに始めるきっかけになりました。
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