ゼラチンの成分

ゼラチンのアミノ酸組成

ゼラチンは、他のタンパク質と同様に各種アミノ酸がペプチド結合した高分子です。ゼラチンを酸、アルカリまたは酵素などで完全に加水分解すると、主として18種のアミノ酸になります。ゼラチンとコラーゲンペプチドのアミノ酸組成はコラーゲンとほとんど変わりません。

脊椎動物のコラーゲンのアミノ酸組成

単位:残基数/1000 残基

サケ コイ サメ ティラピア 赤松鯛 ニワトリ ダチョウ マウス ブタ ウシ
Hypro 54.3 75.9 72.7 86.0 83.9 108.3 104.6 87.4 93.6 95.1
Asp 53.5 48.1 44.5 41.9 41.5 46.4 43.0 48.5 42.1 43.0
Thr 23.5 24.9 23.5 25.2 25.1 19.1 17.9 20.1 16.1 16.1
Ser 49.2 37.4 39.6 35.6 33.0 28.8 26.4 39.9 32.3 32.1
Glu 75.3 70.2 76.5 71.7 76.2 74.9 75.7 72.0 72.2 72.6
Pro 103.8 125.6 107.5 106.8 120.6 112.4 134.2 113.4 131.2 125.6
Gly 361.2 333.3 327.0 339.7 336.3 330.5 332.2 344.5 336.3 331.1
Ala 108.4 120.5 127.0 132.5 128.7 116.4 113.1 101.4 118.7 122.2
Cys 2.3 1.0 0.6 0 0 0 0.3 2.5 0 0
Val 15.6 17.9 24.1 19.9 21.9 17.5 15.9 21.3 21.0 19.7
Met 18.3 14.5 8.3 7.5 8.1 6.8 1.7 9.3 5.6 5.6
Ile 10.6 9.3 20.8 9.7 9.7 11.5 11.1 12.3 8.9 10.9
Leu 20.3 21.8 23.7 21.9 20.4 24.2 23.8 24.6 22.7 24.0
Tyr 0 2.5 0.4 0.8 0.9 1.0 0.7 2.7 2.0 3.7
Phe 12.7 11.8 14.0 14.1 13.4 13.7 12.4 11.1 11.7 12.6
Hylys 4.3 3.4 8.1 8.8 5.9 6.6 4.5 5.4 7.0 7.4
Lys 26.1 25.9 24.7 26.2 25.3 27.2 29.5 27.8 26.1 25.5
His 9.1 4.8 7.5 6.9 4.3 4.4 3.9 5.6 4.0 4.0
Arg 51.7 51.3 49.8 44.8 44.5 47.5 49.2 50.1 48.5 48.7

測定:ニッピバイオマトリックス研究所

ゼラチンの栄養成分

エネルギー 347kcal
水分 11.3g
タンパク質 87.6g
脂質 0.3g
炭水化物 0g
灰分 0.8g
ナトリウム 260mg
食物繊維 0g

(可食部100gあたり)

  • 上記数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年を参照しています。
  • 上記項目数値は規格化しているものではありません。
  • 栄養成分値は、ロットにより若干の差があります。

ゼラチンと他ゲル化剤との違い

ゼラチン ペクチン カラギナン 寒天
原料 牛骨・牛皮
豚骨・豚皮
(魚鱗・魚皮)
柑橘類の果皮 海藻(つのまた、すぎのり) 海藻(てんぐさ、あおのり)
溶解温度※ 50〜60℃ 60〜85℃ 50〜70℃ 90〜100℃
凝固点※ 20〜28℃
(16〜21℃)
[HM]60〜95℃
[LM]45〜60℃
50〜60℃ 33〜45℃
融点※ 25〜33℃
(21〜26℃)
[HM]耐熱性ゲル
[LM]40〜45℃
60〜65℃ 85〜93℃
ゲル化因子 冷却 [HM]高濃度、低pH
[LM]Ca 2+
[K]K 2+ 、Ca 2+
[I]Ca 2+
冷却
ゲルの弾力性 軟らかくて強い かなり強い やや弱い 弱い
ゲルの食感 口内で自然に溶けるのでなめらかな舌触り 固くてなめらかさがない やや固いが、ゼラチンゲルに近いなめらかさがある 固くて自然には溶けない

※諸条件により変化します
※参考文献:我孫子 義弘 にかわとゼラチン 日本にかわ・ゼラチン工業組合、1987年

ゼラチンに関するお問い合わせ

お問い合わせはこちら