食品用途
ゼラチンは冷やすと固まり、温めると溶けるといった熱可逆性があります。
この性質を利用して、グミ、マシュマロ、ゼリー、アイスクリームなどのお菓子、レンジアップ麺やチルド弁当などの惣菜、ハム・ソーセージやレトルトなどの加工食品、健康食品用ソフトカプセルなど、さまざまな商品に使用されています。
ニッピでは、各用途に適した原料由来、スペックの製品をご用意しています。
特徴的な製品
ニッピ水溶性ゼラチン
「ニッピ水溶性ゼラチン」は、常温以上の液体に溶解する特殊なゼラチンです。
一般的なゼラチンで必要となる50℃以上での加熱溶解が不要なため、主に加熱に適さない野菜を使用するコールスローなどの惣菜のドリップ防止 や、 生クリームの保形性向上の用途に利用されています。そのほか、果実やアルコールといった素材が持つ繊細な風味を活かしたい商品への使用に適しています。
また、加熱工程を省くことができるため、製造現場での作業性向上も期待できます。
ニッピスーパーゼラチン
「ニッピスーパーゼラチン」は、「ニッピゼラチン」を国内自社工場で顆粒状に加工した製品です。
顆粒粉末は、粉薬やコーンスープ粉末など、速やかに溶かしたい商品に多く用いられていて、暮らしの身近なところに存在する形状です。
ゼラチンは、水に浸して膨潤させてから加熱溶解する必要がありますが、「ニッピスーパーゼラチン」は膨潤の必要がなく、対象の加熱した液体に直接添加することで、速やかに溶けます。
また、微粉末品と比べて粉舞いをおさえられるため、作業環境をより清潔に保つことができます。
コラーゲンパウダー
コラーゲンパウダーは、厳選された牛皮を粉末状に加工したコラーゲン製品です。
ゼラチンやコラーゲンペプチド製品とは異なり、水に溶解せず、製品1gで最大12gの水分を保持する優れた保水力があり、肉加工食品を中心に幅広い用途で使用されています。例えば、ハンバーグやミートローフなどのジューシー感を付与したり、保形性を向上させることができます。
また、作業性の面でも、肉だねなどがまとまりやすくなり、作業効率の改善にも寄与します。栄養成分の90%以上がタンパク質ですので、高タンパク質を訴求したい商品への使用もおすすめです。
医薬品用途
ゼラチンは医薬用途として、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)、パップ剤、トローチ剤、錠剤など、さまざまな医薬品に使用されています。
ニッピでは、日本薬局方ゼラチンやコハク化ゼラチンなど、幅広いラインナップでお客様の細かなニーズにお応えしています。
特徴的な製品
日本薬局方ゼラチン
日本薬局方ゼラチンは、日本薬局方各条のゼラチンに適合するゲル化グレードの医薬用ゼラチン製品です。
日本薬局方においてゼラチンは“製造販売の承認を要しない医薬品”として掲載されており、薬効はなく人体に対して作用が緩和なものとされています。
コハク化ゼラチン
コハク化ゼラチンは、ゼラチンに無水コハク酸を作用させてできた特殊なゼラチンで、主な用途は医薬用のソフトカプセルの皮膜です。
一般的なゼラチンをソフトカプセルに使用すると、ゼラチン分子中のアミノ基と結合してゼラチン分子間に架橋を形成してしまい、カプセル皮膜が溶けなくなる事象が生じます。コハク化ゼラチンは、ゼラチンのアミノ基に無水コハク酸を結合させることで、不溶化を防ぐことができる画期的なゼラチンです。
コハク化ゼラチンは医薬品添加物規格に収載されております。
工業用途
生分解性で環境にもやさしい天然素材であるゼラチンは、食用や医薬用だけでなく、工業用にも利用されています。
工業用としてのゼラチンは、写真のフィルムや印画紙などの写真乳剤、粘着力を利用した接着剤などに用いられます。「ニッピゼラチン」は、ピアノやバイオリンなどの木管楽器の接着、墨、サンドペーパーなど、さまざまな分野で使用されています。また、日本画の修復にも採用されていて、文化財保護にも貢献しています。
なお、ゼラチンよりも精製度が低いものを「にかわ(膠)」と呼びます。これは皮を煮て作られることに由来しています。