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◆PML法の原理: 細胞核内のサブドメイン構造の1つとして知られるPMLボディは、 PMLタンパク質を含む百種類近いタンパク質から構成され、様々な機能を担っていると考えられており、ヘルペスウイルスなどの感染によって特異的な構造変化が引き起こされる事が知られています。例えば、細胞にCMVが感染して IE1 というウイルス抗原タンパク質が合成されると、PMLボディが壊れPMLタンパク質が核内に均一に拡散する現象が見られます。PML法ではこの現象を応用して、PMLタンパク質に蛍光タンパク(GFP)を結合させたGFP-PMLを恒常的に発現させたSE/15細胞を使用しています。
◆PML法による薬剤耐性ウイルスの検出: 移植医療ではCMV感染症の対策が重要課題の一つとなっています。ウイルス分離をせずに、感染能力を指標とした薬剤感受性検査が可能であれば有用なことから、PML法を用いて薬剤耐性ウイルスの検出を試みました。図3に示すように薬剤存在下/非存在下において感染価を比較する事により、薬剤感受性株と耐性株の鑑別が可能である事が示されました。更に移植医療機関との共同研究から、患者さん由来の末梢血単核球細胞を用いてCMV薬剤耐性株を検出できる事も確認しています(文献4)。
図2. 薬剤耐性ウイルスの判定 正常血液細胞(核を白く表示)とCMV感染した血液細胞(核を赤く表示)を含む患者さんの試料を用いて、SE/15細胞と共に培養します。その際、抗ウイルス薬存在下では感染血液細胞から隣接したSE/15細胞へのCMV感染は抑えられるため、PMLボディの変化した陽性細胞は観察されません。しかし、もしも感染ウイルスが薬剤耐性株である場合は薬剤を加えていても感染がおこり、陽性細胞が生じることとなります。よって、抗ウイルス薬存在下/非存在下での陽性細胞数を比較する事により薬剤耐性ウイルスの判定が可能となります。
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