コラーゲンとは

ABOUT COLLAGEN

私たちのカラダを構成するタンパク質のうち、約3分の1を占めるのがコラーゲンです。コラーゲンは、細胞や組織を「つなげる」「支える」といった大切な役割を果たしています。
実際にヒトの皮膚のコラーゲンを電子顕微鏡で観察すると、図1のような線維構造をみることができます。この線維構造のなかでは、コラーゲン分子がたくさん並んでいます(図2)。
コラーゲンのアミノ酸配列はとても特徴的です。具体的には、グリシンというアミノ酸が2つおきに並んでいます。また、プロリンというアミノ酸が多く含まれています。さらに他のタンパク質ではほとんど見られないハイドロキシプロリンというアミノ酸も同じくらい多く含まれています。


図1 コラーゲン線維の電子顕微鏡写真


図2 Ⅰ型コラーゲン線維の模式図

コラーゲンの種類

コラーゲンはカラダのあらゆるところで働いています。かつては、1種類のコラーゲンのみが確認されていましたが、1960年代に軟骨で異なるタイプのコラーゲンが発見されました。それを機に、最初に発見されたコラーゲンをⅠ型、軟骨のコラーゲンをⅡ型と命名し、以降、発見された順番に番号で呼ぶようになりました。
各型のコラーゲンは、カラダの各部位に存在するそれぞれの細胞で必要に応じてつくり出されています。そのため、分布や役割が異なります。

主要なコラーゲンの分布と役割

Ⅰ型 皮膚、骨、腱 体内に一番多いコラーゲン。皮膚や骨、腱の主成分です。とても丈夫で、骨のしなやかさや皮膚の弾力性を持たせる働きがあります。
Ⅱ型 軟骨 軟骨の主成分であるとともに目のガラス体に分布するコラーゲン。クッションの役割を果たしています。
Ⅲ型 皮膚、血管、子宮 皮膚や血管、子宮など、弾力のある部位や傷を治す部位に多いコラーゲン。大人になるとⅢ型の割合が減少します。
Ⅳ型 基底膜 細胞シートの裏打ち、筋細胞、脂肪細胞の外側など組織の境界に少ないながらも普遍的に分布しています。
Ⅴ型 角膜、皮膚、血管 コラーゲンの細い線維に多く含まれています。目の角膜では、一定の太さのV型コラーゲンを多く含む細いコラーゲンの線維が丈夫で透明な組織を作っています。

※コラーゲンの種類は、哺乳類ではⅩⅩⅧ型(28)まで報告されています。

ゼラチンとコラーゲンペプチド

コラーゲンは、タンパク質の最小単位である「アミノ酸」の集合体。約1000個のアミノ酸がつながった3本の鎖が、らせん状の構造をとったものが「コラーゲン」です。コラーゲンを加熱すると、このらせんがほどけて「ゼラチン」になります。そして、ゼラチンをさらに分解してアミノ酸数個〜数10個に切り分けたものを「コラーゲンペプチド」と呼んでいます。コラーゲンは、水に溶けにくい性質ですが、コラーゲンペプチドはさっと水に溶け、カラダへの消化吸収が高まります。

コラーゲンは構造によって名前や性質が変わる

コラーゲン

  • アミノ酸の数
    約3000個
  • 性質
    水に溶けにくい
コラーゲン イラスト

加熱してほぐす

ゼラチン

  • アミノ酸の数
    数100~数1000個
  • 性質
    温水に溶ける
    冷やすと固まる
ゼラチン イラスト

分解

コラーゲンペプチド

  • アミノ酸の数
    数個~数10個
  • 性質
    水に非常に溶けやすい
コラーゲンペプチド イラスト

さらに分解

アミノ酸

  • アミノ酸の数
    1個
  • 性質
    水に非常に溶けやすい
アミノ酸 イラスト