ガバナンス

コーポレートガバナンス体制

基本的な考え方

ニッピでは、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つと認識し、次の事項に取り組んでいます。

  1. 当社は、健全かつ透明性の高い経営体制の確保に努め、意思決定の迅速化を図り、効率的な経営を目指します。
  2. 当社は、社外役員による監督・助言を通じ、経営陣の適切な経営の意思決定・監督と業務執行体制を確保するとともに、コンプライアンス体制及びリスクマネジメント体制の向上を図ります。
  3. 当社は、経営の透明性を高めるため、適切かつ適時な開示を実施します。

CG体制について

CG体制1:取締役会

ニッピの取締役会は、社内取締役7名及び社外取締役1名の計8名で構成されています。
取締役会の議長は、取締役の互選により定め、定例取締役会のほか、必要に応じて臨時取締役会を開催して、経営に関する重要事項や、法令および定款で定められた事項を審議し、決定しています。同時に業務執行状況の監督も行っています。

CG体制2:監査役会

監査役会は、社外監査役3名を含む監査役4名で構成されています。
監査役会の議長は、監査役会の決議によって監査役の中から定めています。監査役は、取締役会をはじめとする重要な会議への出席、業務および財産の状況調査、会計監査人、業務監査室との緊密な連携を通じて、株主の負託を受けた独立した機関としてカバナンスの運営状況を監視し、取締役の業務執行を監査しています。

CG体制3:業務監査室

業務監査室は、業務監査の年間計画に基づき、業務執行部門の業務執行について内部監査を実施しています。内部管理体制の適切性・有効性等を検証します。また、検証の結果については会計監査人と連携を図り、必要に応じて業務執行部門との意見交換や問題点の改善・是正に関する提言を行います。その監査結果は、代表取締役社長・監査役に報告しています。

CG体制4:経営会議

代表取締役社長が指名する取締役および執行役員で構成されています。
原則として毎月開催し、業務執行に関する基本的かつ重要な事項の意思決定機関として、経営全般の視点から審議し・決定します。

CG体制5:リスクマネジメント委員会

代表取締役社長を委員長として、各部門から選出した委員で構成しています。
原則として年4回の定期委員会を開催し、グループ全体のリスクマネジメントを統括しています。必要に応じて、臨時の委員会を開くこともあります。

CG体制6:サステナビリティ委員会

代表取締役社長を委員長として、各部門から選出した委員で構成しています。
原則として毎月委員会を開催して、サステナビリティ経営を実現するための重要課題・施策を取りまとめ、取締役会に提案しています。

CG体制7:情報セキュリティ委員会

情報統括担当役員を委員長として、各部門から選出した委員で構成しています。
原則として年1回の定期員会を開催し、当社が保有する情報資産の保護、安全な情報セキュリティ管理体制の構築に努めています。必要に応じて、臨時の委員会を開くこともあります。

ご参考

(1)社外役員の出席状況(2023年度実績)

氏名 役職 出席状況(2023年度)
取締役会(全16回) 監査役会(全6回)
村上 勝彦 社外取締役 15/16回
(94%)
-
大倉 喜彦 社外監査役 14/16回
(88%)
6/6回
(100%)
福田 秀明 社外監査役 10/16回
(63%)
5/6回
(83%)

(2)取締役のスキルマトリクス(2024年6月26日現在)

地位 氏名 性別 管掌分野 取締役が有している主要な専門分野
企業経営 製造技術
研究開発
マーケティング
営業
財務
ファイナンス
法務
コンプライアンス
ガバナンス
海外
代表取締役会長 伊藤 隆男
代表取締役社長 伊藤 裕子 リスクマネジメント委員会委員長
サステナビリティ委員会委員長
取締役 井上 善之 皮革事業部・財務部門・
関係会社担当、経理部長
取締役 深澤 幸洋 コラーゲン事業部担当
取締役 野村 聡 バイオケミカル事業部・
バイオマトリックス研究所担当、
バイオ・ケミカル営業部長
取締役 佐野 武彦 ゼラチン事業部担当
取締役 宮脇 幹太 総務部・労務人事部担当、
経営企画室長
情報セキュリティ委員会委員長
取締役 村上 勝彦

(3)取締役会の実効性評価

ニッピでは、取締役会の実効性向上による持続的な企業価値向上をより確実なものとするため、取締役会の実効性評価を2022年度から実施しています。
すべての取締役が評価の趣旨を理解した上で「取締役会評価に関するアンケート」(無記名方式)を実施。その結果から課題を明らかにし、課題に対する対策を検討・実施することで、実効性のさらなる向上を目指しています。
2023年度の調査では、評価項目について4点満点中で全評価平均3.5点となりました。ニッピの取締役会は概ね適切に機能し、実効性は確保されていると判断しています。

内部統制システム

基本的な考え方と整備状況

会社法および会社法施行規則の規定に基づき、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他会社の業務の適正を確保するための体制」(内部統制システム)の整備について、ニッピの取締役会で決議した内容は次のとおりです。

1. ニッピグループの取締役および使用人の職務の執行が、法令と定款に適合することを確保するための体制

  1. (1) ニッピグループの取締役および使用人が法令や定款を遵守し、健全な社会規範の下にその職務を遂行すべく、リスクマネジメント委員会が取締役および使用人に対するコンプライアンス体制の強化を図る。また、リスクマネジメント委員会は、業務全般に関して法令・定款・社内規程などの遵守状況を定期的に取締役会および監査役に報告する。
  2. (2) 法令上疑義のある行為などが報告された場合、取締役会は報告された事実に対する調査を行い、適切な対策を講じるとともに、その内容をニッピグループ全体に周知徹底する。
  3. (3) リスクマネジメント委員会は、企業倫理規範及びコンプライアンス体制に係る規程として制定した、ニッピグループ共通の「私たちの行動規準」を周知徹底させるため、ニッピグループ内におけるコンプライアンスの教育・啓発に努める。

2. 当社の取締役の職務の執行に係る、情報の保存および管理に関する体制

  1. (1) 取締役または使用人の職務執行に係る重要な決定事項および議事録、ならびに情報等は、文書または電磁的媒体に記録し、文書管理規程に従って適切に保存し管理する。
  2. (2) 取締役および監査役は常時これを閲覧できる体制をとる。

3. 当社の損失の危機の管理に関する規程その他の体制

  1. (1) 各部門所管業務に付随するリスク管理は担当部門長が行い、適宜リスクマネジメント委員会に報告する。リスクマネジメント委員会は、組織横断的リスク状況の把握、分析および監視を行い、リスクの未然防止を図る。
  2. (2) 取締役会は、大地震、大規模災害、その他の事業を継続する上での有事に際しては、取締役社長を本部長とする「緊急対策本部」を立ち上げ、迅速に機能する態勢を整備する。
  3. (3) 安全・衛生、環境、防火・防災および犯罪等のリスクを専管する組織として「安全衛生委員会」を定期的に開催し、課題の把握および対応策の確認、ならびに全社への情報伝達を行う。また、リスク度の高い案件については、リスクマネジメント委員会へ速やかに報告を行う。
  4. (4) 法令違反、その他の事由により損失の危険のある業務執行行為が発見された場合、または経営に重大な影響を及ぼす案件が発生した場合は、管理部門管掌役員を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、適切に対処を図る。

4. 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

  1. (1) 取締役会規程に基づき、必要な決定と業務の執行を行う。
  2. (2) 取締役会の意思決定の妥当性と客観性を高めるため、社外取締役を置く。
  3. (3) 取締役および執行役員を構成員とする経営会議を定期的に開催し、取締役の業務執行状況の監督等を行う。
  4. (4) 業務の運営については、中長期経営計画及び経営計画に基づく年度予算を策定し、全社的業績目標と予算の設定を行う。各部門においては、その目標を達成するための具体策を立案し実行する。また、その結果は、毎月の経営会議で報告し、フォローする。
  5. (5) 日常の業務執行に際しては、職務権限規程、業務分掌規程等に基づいて権限委譲がなされ、各部門・レベルの責任者が意思決定ルールに則って業務を遂行する。

5. 当社および当社子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制

  1. (1) 取締役会は、社会的責任を果たしていく上で不可欠なコンプライアンス意識をニッピグループ共通のものとするため、「私たちの行動規準」の周知徹底を図る。また、ニッピグループの企業集団として業務の適正と効率性を確保するため、グループ各社より、取締役会議事録等の経営資料を適宜徴求する。また、営業成績・財務状況その他の重要な情報について定期的に報告を受けることで経営状況の把握を行うとともに、経営管理および内部統制に関する指導・助言の充実に努める。
  2. (2) ニッピグループのセグメント別事業に関して責任を負う取締役を任命する。グループ会社を含めて、法令遵守およびリスク管理体制を構築する権限と責任を付与し、報告を求めるなど、これらを横断的に統括推進する。
  3. (3) ニッピは、子会社の自主性を尊重する。それとともに毎月定期的に開催される経営会議では、重要案件についての協議を行うことなどにより、子会社の取締役の職務執行の効率性を確保するものとする。
  4. (4) 子会社において、法令等に違反、またはその懸念がある事象が発生あるいは発覚した場合、速やかにニッピのリスクマネジメント委員会に報告する体制を構築する。
  5. (5) 海外の子会社については、当該国の法令等の遵守を優先し、可能な範囲で本方針に準じた体制を構築する。

6. 当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における、当該使用人に関する事項

監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、取締役会はその具体的人選等について監査役と協議の上、当該使用人を配置する。

7. 当社の監査役の職務を補助すべき使用人の当社の取締役からの独立性、および当該使用人に対する当社の監査役の指示の実効性確保に関する事項

  1. (1) 監査役を補助すべき使用人の職務執行については、取締役等の指揮命令からの独立性を確保し、また、当該使用人の人事に関する事項については、監査役の意見を尊重する。
  2. (2) 監査役の職務を補助すべき使用人は、監査役より受けたその監査役の職務に必要な範囲内において、取締役または他の使用人の指揮命令は受けないこととする。

8.当社およびニッピグループの取締役と使用人が、監査役に報告するための体制

  1. (1) ニッピおよびニッピグループの取締役または使用人は、法定の事項のほか、当社グループに重大な影響を及ぼす事項、またはその恐れのある事項、内部監査の実施状況、コンプライアンスおよびリスク管理状況等を監査役会に随時報告する。
  2. (2) 監査役に対して前項に定める報告を行った者が、当該報告をしたことを理由に不利益な取り扱いを受けることがないよう取り組むこととする。
  3. (3) 常勤監査役は、取締役会、経営会議等、重要会議にすべて出席し、必要に応じて意見を述べるほか、重要な決裁書類等の閲覧や業務執行状況の聴取等を随時行い、取締役の職務執行監視体制を確保する。

9.その他、監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

  1. (1) 監査役は、監査役会が定める監査役会規程、監査役監査基準等に基づき、独立性と透明性を確保しつつ、経営監視体制とコーポレートガバナンスの強化を図る。
  2. (2) 監査役は業務監査室等と適宜、意見交換を行い、監査機能の有効性、効率性を高めるために、相互に連携する。
  3. (3) 監査役はニッピの会計監査人と随時情報交換を行い、相互補完と連携を強化する。
  4. (4) 監査役が、その職務の執行について生ずる費用の前払い、または償還などの請求をしたときは、当該監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに処理する。

10.財務報告の信頼性を確保するための体制

ニッピは、金融商品取引法の定めに従い、財務報告の信頼性と適正性を確保し、内部統制報告書の提出を有効かつ適切に行う。そのため、代表取締役社長の指示の下、財務報告に係る内部統制を整備し、確実に運用する体制を構築、維持する。
代表取締役社長ならびに取締役会は、財務報告に係る内部統制の整備および運用に対して監督責任を有しており、その整備状況および運用状況を継続的に評価し、必要な是正を行う。そのため、代表取締役社長が直轄する業務監査室が内部監査を実施し、代表取締役社長ならびに取締役会に報告する。